兵庫県豊岡市では、おいしい農産物と多様な生き物を育み、コウノトリも住める豊かな文化・地域・環境づくりを目指す「コウノトリ育む農法」による栽培が広く行われている(令和8年豊岡市の農薬不使用米栽培面積:約240ha)。
しかし、ヒエやコナギなどの雑草の繁茂により、肥料養分が吸収され、分げつ、葉色の低下や登熟期の窒素不足により収量が低下している。
そこで、豊岡農業改良普及センターでは、現在当地域で導入が進んでいる乗用除草機の除草効果をさらに高めるため、両正条田植え(縦方向と横方向の植付位置をそろえる)により、条間(縦方向)および株間(横方向)でも除草を行い、除草効果の向上と収量向上を目指す実証を、令和8年度に全国農業システム化研究会事業を活用して取り組むこととした。
実証の概要は以下の通り。
①両正条田植機による尺角植え(※)を実施し、乗用除草機による縦横方向の除草を行うことで、除草効果の向上を検証する。
②慣行の田植えでの条間除草(縦方向のみ)と比較して、除草効果や収量への影響を検証する。
③慣行の条間除草と比較し、除草効果を明らかにして、今後の本格導入に向けた技術の検証を行う。
④慣行の栽培密度より少なくなることでの収量への影響を調査する。
※尺角植え:縦横の株間を1尺(約30cm)ずつ開けて碁盤の目のように植えること。
実証区の概要は以下の通り。

6月12日、豊岡市の実証圃場にて「除草作業実演会」が開催された。当日は晴天となり絶好の作業日となる中、県普及関係職員、市役所職員、資機材メーカー、生産者等約20名が集まった。
はじめに、兵庫県豊岡農業改良普及センターの桂所長と実証農家からの挨拶、担当普及職員から実証調査の説明があった後、株間(横方向)への除草実演が始まった。
使用した乗用除草機は、すでに当地域で普及しているものだが、今回の実演は、両正条田植機で移植した圃場での除草作業である。乗用除草機のオペレーターからは、田植時に直進キープでまっすぐに植えられているので操作が楽だったという意見があった。また実証農家からは、効率よく除草ができることで欠株を減らすことができ、収量が増えるのではと期待が寄せられた。

豊岡農業改良普及センター 桂所長






6月中旬にも条間(縦方向)への除草作業を行い、除草精度やその後の生育・収量について調査する。
当地域では、県内一の無農薬水稲栽培地域である一方、「コウノトリ育むお米」生産部会や大規模水稲農家における無農薬栽培の規模拡大を進めるにあたり、雑草対策が課題として挙げられている。この実証技術が地域の課題解決となることに期待したい。