国産ゴマには根強い需要があり、高価格で取引されている。埼玉県はかつて、ゴマの生産が盛んであったが、収穫調製作業の機械化が進まなかったことから栽培が衰退した。しかし、近年、ゴマの収穫調製の新たな機械化体系が提案され、大型機械の活用が可能な土地利用型作物として、水田を中心に栽培面積の拡大が期待されている。栽培マニュアルを作成して生産推進を図っているものの、「手間がかかる」というイメージが定着しており、導入に消極的な生産者も少なくない。
そこで、今年度は全国農業システム化研究会事業を活用し、小型機械化体系と大型機械化体系を調査・比較し、大型機械化体系で効率的なゴマ栽培を実証・展示することで、県内のゴマ栽培導入意欲増進を図ることを目的に、大里農林振興センターで実証調査を行っている。
●品種 :金ゴマ(在来種)
●播種日 :6月9日
●播種量 :14000粒/10a
●苗立ち数:10.6本/㎡(出芽率76%)
●施肥 :基肥なし、追肥(8月9日)1kgN/10a程度(8-7-6肥料を使用)
●防除 :8月5、6日(アデイオン+プレバソン)、8月20日(アディオン)
●発育推移

●生育推移

9月10日(水)には、熊谷市の実証圃場において「土地利用型作物としてのゴマ栽培体系の実証」収穫調製作業実演会が開催され、県普及関係職員、JA、関連メーカー、実需者、生産者等、約100名の参加があった。


実証圃場では、クボタアグリサービス(株)東京事務所の鈴木部長から収穫機の説明があった。収穫機はソバ専用コンバインで、シーブを40㎜目合いに改造したものを使用。隣接ほ場では、病害虫防除に使用した乗用管理機+ブームスプレーヤーのデモンストレーションも行われた。
大里農林振興センターの根岸担当部長からは、「高温少雨など厳しい状況でも栽培が可能なゴマは、稲麦大豆につづく作物として可能性を秘めている。本県では昔からゴマ栽培がおこなわれてきたが、軒先栽培等、自家用にとどまっている。手間のかかる収穫調整作業にメスを入れるため、この実証調査に取り組んだが、先行きが大いに期待される」との挨拶があった。



改造(右)。左は元の目合いのもの





デモンストレーション(水を使用)
後半は会場を屋内(野菜出荷所)に移し、乾燥調製の実演が行われた。
はじめに、大里農林振興センターの岡山副所長兼農業支援部長からの挨拶があった。



ゴマ(蒴果)の乾燥は、まず、専用の内袋を入れた2基のワイヤーメッシュコンテナを2列並列にし、上からブルーシートをかぶせて、70cmの間隔をあけて乾燥機を設置。この上に黄色いシート(吸い込まれ防止の専用シート)をかぶせて乾燥機を稼働させる。これで、1週間から10日ほどで脱粒できる程度に乾燥できる。ハウス内に設置できれば、高温で乾燥した空気が流れるため、乾燥期間はさらに短縮できると考えられる。



実証農家であるビーナスファーム合同会社の若山氏からは、「これまではハウスの中でゴマを立てかけて乾燥させており、かなりの面積が必要。規模拡大をしようにも、1年に1カ月しか使わないハウスを建てるのは非効率で、乾燥能力が低いことが規模拡大の障害となっていた。この乾燥機が使用できれば問題解決となり、面積の大幅な拡大も可能」と話があった。

脱粒はグレーダーでも可能とのこと

県では、ゴマは大豆にとって代わる作物、遊休農地解消対策になり得るなどの考えもあり、高収益作物としても大いに期待されている。実演会には海外からの参加者も見受けられ、ゴマ栽培に対する関心の高さがうかがえた。なにより、本実証に意欲的に取り組む生産者はじめ、メーカーや実需者を含めた関係者の熱意に感じ入る一日となった。(みんなの農業広場事務局)