近年の温暖化により、水稲の生育が不安定になり、米価が高騰しているが、肥料、燃油等の生産資材価格も高騰し、米の生産、流通を取り巻く環境は混迷している。また、米の需要は増加しており、業務用米を含む主食用米や加工米の生産拡大は喫緊の課題である。
鹿児島県は早期水稲、普通期水稲の二作型があり、南西諸島を除き、最も早くから遅くまで水稲栽培を行っている。そのような中、早期水稲収穫後の刈り株から再生した稲を収穫する再生二期作は、低コストと高品質を両立できる栽培方式として期待されている。
そこで、農業開発総合センターでは、令和7年度に全国農業システム化研究会事業を活用し、「早期水稲の再生二期作による低コスト安定生産技術の実証」に取り組むこととした。
【鹿児島県】早期水稲の再生二期作による低コスト安定生産技術の実証(令和7年度全国農業システム化研究会実証調査)
実証の概要は以下の通り。
①一期作目の収穫機の違いによる収量の比較
②衛星リモートセンシングの可変施肥が収量へ及ぼす影響の検証
③再生二期作における普通型コンバインの収穫能力の検討
実証区の概要は以下の通り。

※二期作目の施肥について、一律施肥は出穂25日後にN5kg/10aを実施。可変施肥はKSAS衛星リモートセンシングのSRVIを基にしてマップを作成し、出穂25日後にN5kg/10aを基準にして5段階で実施
※二期作目の施肥は、農業用ドローン(T30)で実施
また、ほ場概略図は以下の通り。

8月5日には、鹿児島県南さつま市の実証ほ場において、一期作目の収穫作業が行われた。当日は気温37度の猛暑日を記録する中、県職員、機械メーカー、JA、生産者等、約30名が集まった。
初めに、現地慣行として自脱型コンバイン(DR6130A)で収穫作業を行い、その後普通型収量食味コンバイン(DRH1200A)で収穫作業を行って、両者の作業時間を比較した。
自脱型コンバインはすべて手動(有人)で行ったのに対し、普通型収量食味コンバインは外周1周を手動で行ったあと残りを自動(無人)で作業を行ったことで、未経験の作業者でも効率よく収穫作業を行えることをアピールした。







右が普通型収量食味コンバイン

刈り取り作業後のモミは、自脱型コンバインの方が普通型収量食味コンバインに比べ、茎等の余分な部分が少なかった。
再生二期作の収穫は10月下旬を見込んでおり、可変施肥と一律施肥との収量を比較する予定である。
国産米の需要が年々増加し、国としても増産体制を目指す中、この技術が確立し、供給拡大に寄与できることを期待したい。(みんなの農業広場事務局)

