兵庫県では、近年の夏期高温の影響により、高温障害による水稲の品質低下(白未熟粒)が問題となっている。また、日本有数のブランド牛「但馬牛(神戸牛)」の産地である当地域(美方郡)では、資源循環(”美方式”水稲生産モデル)を進める上で、堆肥投入による水稲の生育ムラを解消する技術の確立が求められている。これらの対策として、穂肥や実肥(穂揃い期追肥)が有効だが、高温下の作業は負担が大きいことが問題とされている。
そこで、施肥(追肥)作業の省力化と水稲の品質向上のため、兵庫県新温泉農業改良普及センターでは令和7年度、全国農業システム化研究会事業を活用し、ザルビオ®フィールドマネージャーおよびKSAS等の営農支援システムを活用したマップ連動可変施肥の実証を新温泉町で実施している。供試品種は、県育成の酒米「兵庫北錦」。
7月23日(水)には、新温泉町の実証圃場において、「マップ連動可変施肥現地研修会」が開催された。気温30度を優に超える猛暑の中、県普及関係職員、JA、資機材メーカー、生産者等、約30名が集まった。

開会にあたり、新温泉農業改良普及センターの池田所長から挨拶があり、続いて実証担当の木谷主事から、穂揃い期追肥の意義とマップ連動可変施肥の活用についての説明があった。






ドローン穂肥専用N44の説明

各社の説明後に、ドローンによる追肥作業の実演が行われた。
本実証では、ザルビオ®フィールドマネージャー区とドローンリモートセンシング区の生育マップをもとに施肥マップを作成し、穂揃い期追肥を実施し、比較実証を行うこととしている。当日の実演では、ドローンリモートセンシング区の圃場内の生育を5段階に分け、生育が盛んな部分に多く追肥をおこなった。40aのほ場を2分30秒で散布と、作業はあっという間に完了した。



兵庫県立農林水産技術総合センターの九村専門技術員からは、「可変施肥といえば通常は穂肥で、生育を見ながらおこなう形だが、今回の穂揃い期追肥(実肥)は、生育が良いほど肥料が必要という逆の考え方になる。センシングを利用したドローンによる穂揃い期追肥は、他ではほとんど行われていないもので、全国農業システム化研究会ならではの取り組みだ。今後、このような方法が広がっていくのではないか」と説明があった。
今年も早い時期から高温が続いている。この技術により登熟不良が軽減され、品質向上につながることを大いに期待したい。(みんなの農業広場事務局)