技術【飼料作物】

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飼料用稲を含む飼料作物に関する給与技術
技術名 技術の特徴 開発機関名 ページ
黒毛和種の離乳から出荷までの一貫肥育体系における圧ぺん籾の代替給与技術 国産飼料の自給率を向上させるため、消化性を良くした圧ぺん籾を、離乳直後の子牛から肥育牛として出荷するまでの全期間、配合飼料の一部と代替給与し嗜好性や発育、肉質に与える影響について検討した。
1 体重の推移に有意差は認められず、月齢が進むにつれ圧ぺん籾35%区<圧ぺん籾25%区<慣行区の順に良くなる傾向であった。また、測尺値に有意差は認められなかった。
2 配合飼料摂取量は全ての区が同様に推移し、圧ぺん籾の選び食いや極端な残飼も確認できなかった。
3 血中ビタミンAは、肥育開始後から全ての区で徐々に減少し有意差も認められないことから、圧ぺん籾を起因とするビタミンAの低下は無いと考えられた。
4 枝肉成績は、枝肉形質に有意差は認められず、上物率100%であった。
5 s当たりの圧ぺん籾の生産費は約42円であった。
6 4〜28ヵ月齢までの配合飼料の総摂取量は、区間に大きな差は認められなかった。配合飼料費は慣行区と比べ圧ぺん籾25%給与で1頭当り25,811円、35%給与で46,375円安かった。
7 以上、圧ぺん籾の給与が飼料摂取量、発育、肉質に悪影響を及ぼさないことから、離乳以降出荷までの肥育一貫体系において、配合飼料のTDN換算で35%程度まで圧ぺん籾に代替して給与することは可能である。
福島県農業総合センター 1
黒毛和種去勢牛の育成期における牧草サイレージ給与技術 黒毛和種去勢牛の育成期において、乾草給与体系と遜色ない発育および産肉成績を示す牧草サイレージ(GS)給与技術を確立した。GSの給与開始は4か月齢から可能であること、飼料乾物中CP含量は16%で良いこと、軟便に伴う発育低下や体型悪化、肥育時のビタミンAコントロールに対する悪影響は見られないことを示した。 (地独)北海道立総合研究機構農業研究本部 4


その他の技術
技術名 技術の特徴 開発機関名 ページ
飼料作物の栄養価評価技術 1. 携帯型分光放射計から、飼料作物の生育状況および栄養価につい非破壊かつリアルタイムに診断する。飼料作物の群落上における分光反射計測から、生産量、植物体中の窒素および繊維質等の飼料成分含量などを定量できる。ならびにラジコンヘリ等に搭載した可視・近赤外カメラ空撮画像情報から、圃場内の面的なばらつき(空間分布)の情報についても提供することが可能である。
2. 飼料用稲・飼料米を含む飼料作物のウシにおける栄養価値を、消化管部位物消化、吸収栄養素量、内分泌反応、生産物品質などの面から評価する。各種飼料を給与した際の反芻胃内での消化性や発酵産物および微生物合成量、ならびに小腸内で消化されるアミノ酸、脂肪酸およびビタミンなどを定量できる。また搾乳ロボットを用いて、飼料稲・飼料米の乳生産効果に関する詳細なデータを提供することが可能である。
広島大学 8
籾すり機を使ったイネソフトグレインサイレージ用籾の加工方法 1 水分率の高い黄熟期の稲(ふくひびき)を自脱型コンバインにて収穫し、得られた籾をそのまま用いた。
2 使用機種はインペラ式の籾すり機で、損傷を与えるために脱ぷ用変速レバーを、最も脱ぷ率の高くなる位置に調整した。
3 損傷粒割合は67%で、従来のガーデンシュレッダ1回処理法に比べ高かった。機械内部のライナーを凹凸の付いた鉄製に変更することにより、損傷粒割合が79%と更に向上した。
福島県農業総合センター 9
鶏ふん堆肥を利用した飼料米の低コスト多収生産技術   鶏ふん堆肥は、生産方式により初期の窒素無機化率が異なる傾向がある。そこで簡易に鶏ふん堆肥の初期窒素無機化率を調べるために堆肥の抽出液(電子レンジと保温容器を用いて簡易に得られる) の紫外部2波長の吸光度の差を用いて窒素発現予測式を作成した。
 飼料米品種「モミロマン」において、基肥として窒素発現予測式による初期無機化窒素6kg/10aに該当する鶏ふん堆肥を施用し、追肥として硫安を窒素3.5kg/10a施用する施肥体系により、目標収量の1,000kg/10aを達成できた。肥料費は化成肥料の31〜40%と低コストになった。

(予測式)
初期窒素無機化量(g/kg) = Δ吸光度 × 25.4 + 5.0
(Δ吸光度 = 堆肥のリン酸緩衝液抽出液の290nmの吸光度−260nmの吸光度)
(簡易リン酸緩衝液抽出法)
・堆肥0.5g + pH7.0 - 1/15M リン酸緩衝液200mL
・電子レンジによる加温
600W 3分→{(10分保温)→(600W 30秒)}× 5回
・抽出液を10倍希釈し、290nmと260nmの吸光度を測定
京都府農林水産技術センター農林センター 11
「たちすずか」の最適な窒素施用時期を解明 高糖分飼料イネ「たちすずか」の最適窒素施肥時期は次のとおりである。

○茎葉多収栽培の場合
基肥で窒素4〜8kg/10a,出穂60〜30日前に追肥4〜8kg/10aを施用すれば、乾物収量1500kg/10aが可能。

○採種栽培の場合
基肥は施用せず、出穂20日前に窒素10kg/10aを施用すれば、種子生産量300kg/10a以上が可能。
広島県立総合技術研究所農業技術センター 12
乳牛における子宮内膜炎の発生要因と予防指針 ・乳牛における子宮内膜炎の発生実態を明らかにし、乾乳期の過肥、分娩前の牛群変更、飼料摂取量不足、周産期疾病、および子宮炎などが子宮内膜炎の発生要因であることを示した。また、子宮内膜炎の発生低減のための予防指針を作成した。 (地独)北海道立総合研究機構農業研究本部 14