JADEA 一般社団法人全国農業改良普及支援協会
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トップページ各種情報知的財産(農林水産分野知的財産人材育成総合事業)寄せられた質問と回答商標権・地域団体商標制度に関する質問質問と回答
質問と回答
質問
 女性起業者が加工所の名称として「はすの実工房」と名付けて、そう菜等の販売を行っています。
 「はすの実」が商標登録等がとられているのかどうか確認すべきでしょうか。どうすれば確認できるのでしょうか。また、商標登録が取られている場合、どんな用途でも使用不可なのでしょうか。ジャンルが違えば、使えることはないのですか。
回答
 「はすの実工房」という加工所で惣菜等の販売を行っていると言うことですので、「果実や野菜を主材とする惣菜(第29類 類似群:32F04 32F06)」、「加工されたはすの実(第29類 32F04)」などが当該工房で販売されているのではないかと思われますが、この場合、「はすの実工房」については、商標登録されていないか一応調査した方がよいでしょう。店舗看板への「はすの実工房」の使用であっても、そこで惣菜が売られている以上、惣菜に関する商標の使用(惣菜に関する広告に標章を付して展示する行為:商標法第2条第3項第8号)ということになり、登録されていれば第三者が勝手に使えないからです。

 ただし、ご相談の「はすの実」については、惣菜等の商品に「はすの実」の商標でも付して販売されていない限り、その調査は不要ではないかと思います(勿論、念のため調査するのは自由です)。なぜなら「はすの実」自体は、上記「はすの実の惣菜」に使用しても単なる品質・原材料表示にすぎず登録できないと考えますし、たとえ「はすの実工房」が商標登録されていたとしても、この「はすの実工房」と「はすの実」は商標的に類似せず、権利侵害の問題も生じないと考えるからです。「はすの実」は、はすの実の惣菜等に原材料の表示として誰でも自由に使えるはずです。

 次に、商標登録が存在するかどうかの確認はできるのかというご質問ですが、これは、商標の調査をすることで容易に確認することができます。商標の調査は、インターネットにより、特許庁のホームページにある「特許電子図書館」(IPDL)を利用することで誰でも簡単に行うことができます。このIPDLには、登録商標や商標出願中のデータが蓄積されており、一般に無償で開放されています。

 調査の仕方ですが、まず、特許庁のホームページにある「特許電子図書館」をクリックします。すると、検索メニューが表示され、この検索メニューに幾つかの検索項目が表示されますので、そのうちの「商標検索」をクリックします。すると、「4 称呼検索」や「3 商標出願・登録情報」などの項目が表示されますので、その項目をクリックし、表示された画面から説明に従って必要事項を記入して行います。これにより、比較的簡単に商標(文字商標)の検索ができます。納められたデータに1ヵ月ほどのタイムラグがあることや、入力する検索文字に多少の工夫が必要であることなどの注意すべき点はありますが、慣れればほぼ漏れのない商標の調査が可能ですので、是非利用してみてください。なお、より確実な調査をしておきたいということであれば、多少調査手数料はかかりますが、特許事務所(弁理士)に依頼することをお勧めします。

 ところで、商標登録がなされている場合にはどんな用途でも使用不可なのか、ジャンルが違えば使えるのかとのご質問ですが、商標権の効力は、基本的には、登録商標と同一又は類似の商標を指定商品と同一又は類似の商品や役務に使用する行為にしか及びませんので(商標法第25条、同37条)、指定以外の全く関係のないジャンルの商品や役務について第三者が当該登録商標と同一又は類似の商標を使用しても、基本的には問題ありません。
(平成21年1月)
回答者 日本弁理士会
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